グリッドレイアウト

グリッドレイアウトを極める 3

2021年11月15日

グリッド領域に名前を付けて配置の仕方を習得する

直ぐに取り掛かりたいところだが、その前にグリッドレイアウトの基本を準備しておこう。

グリッドレイアウトの基本

グリッドレイアウトを使う手順を整理してみよう。グリッド全体を囲む要素であるコンテナについて display: grid; または display: inline-grid; のどちらかを指定する。

display: grid; はブロックレベルのGrid Layoutコンテナに指定する。 display: inline-grid; はインラインレベルのGrid Layoutコンテナに指定する。インラインは文章の一部として扱われる<span><code>などがある。

コンテナの直接の子要素は基本的にすべてアイテムになる。

<div id="container"> <!-- container -->
  <div id="itemA">A</div> <!-- item -->
  <div id="itemB">B</div> <!-- item -->
  <div id="itemC">C</div> <!-- item -->
</div>

CSS で各トラックの大きさを指定する

今回のデザインのターゲットはこうなる。

grid: グリッドレイアウトの基本

grid-template-rows は行のトラックの高さを半角スペースで区切って指定する。

grid-template-columns は列のトラックの幅を半角スペースで区切って指定する。

#container {
  display: grid;
  grid-template-rows: 100px 50px;
  grid-template-columns: 150px 1fr;
}

CSS でアイテムの配置を指定する

アイテムを配置する方法は二通りある。ライン番号で指定する方法とエリアに名前を付けて指定する。

ライン番号で指定

この方法で新しく使うプロパティはgrid-row:grid-column: である。

行2トラックx列3トラックのグリッドの例で見てみよう。

grid: ライン番号のカウントの種類

行2トラックx列3トラックの場合、rowのラインは1~3、columnのラインは1~4 が存在することになる。番号は1から始まり、最大のラインの番号はトラックの数+1になる。負の数字でも指定することが出来る。アイテムをグリッドのどこに配置するのかは、このラインの番号を用いて指定する。

例えば、このようにアイテムを配置したい場合、どういう指定をするか?

grid: アイテムを配置する

row 1~2、column 2~3 を占めているので、以下の通り。

#item {
  grid-row: 1 / 2;
  grid-column: 2 / 3;
}

また、隣り合わせのラインを指定する場合は、スラッシュのあとを省略して記述できる。

#item {
  grid-row: 1;
  grid-column: 2;
}

また、このように行を跨ぐアイテムを配置したい場合、どういう指定をするか?

grid: アイテムを配置する その2
#item {
  grid-row: 1 / 3;
  grid-column: 3 / 4;
}

尚、大きい方のラインの番号を書く代わりに、いくつ先のラインまで伸ばすかを記述するspanを使った方法もある。

#item {
  grid-row: 1 / span 2;
  grid-column: 3 / span 1;
}

また、負のラインの番号で指定することも出来る。通常の正のラインの番号の並び 1 / 2 / 3 / 4 が -4 / -3 / -2 / -1 となる。以下の記述内容は全て同様だ。

以下の記述内容は全て同様である。

#item {
  grid-row: -3 / -1;
  grid-column: -2 / -1;
}
#item {
  grid-row: -3 / span 2;
  grid-column: -2 / span 1;
}
#item {
  grid-row: -3 / span 2;
  grid-column: -2;
}

さて、ページ上のターゲットになるデザインに戻る。各アイテムの配置方法は以下の通り。

grid: アイテムのA B Cを配置する
#itemA {
  grid-row: 1 / 3;
  grid-column: 1 / 2;
  background: #fecb2f;
}
#itemB {
  grid-row: 1 / 2;
  grid-column: 2 / 3;
  background: darkseagreen;
}
#itemC {
  grid-row: 2 / 3;
  grid-column: 2 / 3;
  background: lightblue;
}

さて、この辺りで少し実践的なレイアウトを描いてみよう。サイズを指定して思い通りのレイアウトが出来るだろうか。

grid: もう少し複雑なグリッドレイアウトの練習
grid: フルスクリーンなグリッドレイアウトの練習

エリアで指定

この方法で新しく使うプロパティは次の二つだ。
grid-template-areas
…エリアを作ってそれぞれに名前を付ける(コンテナのスタイルとして記述する)。

grid-area:
…各アイテム が占めるエリアの名前を指定する(アイテムのスタイルとして記述する)。

grid: エリアの名前を指定する

例えば表(table)のセルで考えれば2×2のセルで構成されていると見なされる。grid-template-areas を使って書くと以下のようになる。

#container {
  grid-template-areas:
    "areaA areaB"
    "areaA areaC";
}

ダブルクオーテーション(")で囲まれた1行の文字列が、グリッドの1行を表している。行の文字列に含まれる一連の文字(areaA、areaB など)はエリアの名前だ。エリアの名前は半角スペースで区切られており、これがグリッドの縦方向のラインを表す。

areaA のように同じエリアの名前を指定することで、エリアが複数のセルにまたがることを表す。また、見た目を整えるために、半角スペースを複数続けることや、文字列の前後に付けることも出来る。名前を付ける必要のないセルにはピリオド(.)を一つ以上連続して記述する。

#container {
  grid-template-areas:
    "header header header"
    "nav contents aside"
    ". footer .";
}

/* ↓分かりやすく見た目を整える↓ */

#container {
  grid-template-areas:
    " header header   header "
    " nav    contents aside  "
    " .....  footer   .....  ";
}

次にアイテムにgrid-areaを記述する。配置したい場所のエリアの名前をgrid-areaに指定する。

#itemA {
  grid-area: areaA;
}
/* コンテナ */
#container {
  display: grid;
  grid-template-rows: 100px 50px;
  grid-template-columns: 150px 1fr;
  grid-template-areas:
    "areaA areaB"
    "areaA areaC";
}

/* アイテム */
#itemA {
  grid-area: areaA;
  background: #fecb2f;;
}
#itemB {
  grid-area: areaB;
  background: darkseagreen;
}
#itemC {
  grid-area: areaC;
  background: lightblue;
}
CSS Grid Layout を極める!(基礎編)より引用